西日本新聞社説に載りました。

サッカー学校 九州から世界へ膨らむ夢

2009年7月24日 11:24 カテゴリー:コラム > 社説

サッカーは世界で最も人気のあるスポーツだ。なかでもスペイン1部リーグは、ポルトガル代表FWのクリスティアノ・ロナルド選手(レアル・マドリード)など国際的スター選手が所属する世界最高峰のプロリーグとして知られる。

リーグの人気を二分するのがレアルとFCバルセロナ(バルサ)で、両者の対戦は毎回、世界のサッカーファンが熱狂する。その名門クラブ・バルサが、日本では初めてとなる常設のサッカースクールを9月に福岡県春日市に開校する。

練習の拠点となる県営春日公園球技場は芝のサッカーコートを持ち、放課後もトレーニングが可能なナイター設備もある。こうした恵まれた練習環境に加え、経済力や住民の団結力など、本拠地のバルセロナと似た福岡の持つ「地域力」が進出の決め手となったという。

スクール関係者は「レアルは首都が本拠地だが、バルサは地方。クラブの成り立ちを考えても、地方で元気な福岡に開校することに意味がある」と言う。

福岡では、スペイン人や日本人コーチが、幼稚園や保育園の年長組から小学6年生までを対象に平日週2回指導する。すでに入校希望者が定員の300人を超え、反響は予想以上だという。

スペインではスクール経由で毎年10人程度がトップチームにつながる育成部門に引き上げられており、クラブ関係者も「福岡でも才能のある選手をバルサに送り込みたい」と意気込んでいる。

本場仕込みの指導法にも注目したい。スペインでは、大人や子どもの区別はなく、実戦重視で高度な技術を磨くのが普通という。個人技のレベルアップに加えて、チーム戦術もしっかり教え込む。

スクールでチームは持たず、入校者は週末、学校などのチームに戻って練習する。体力づくりや基礎練習を重視する日本とは異なる指導法が、ほかの選手や国内の指導者にも刺激を与えるだろう。

九州のプロサッカー界は現在、J1で大分が、J2では福岡、鳥栖、熊本が活動中だ。バルサの「進出」が九州のサッカー土壌の底上げにつながることを期待したい。と同時に、「バルサのエースナンバー『10』を背負う選手を九州から」という大きな夢も膨らんでくる。

=2009/07/24付 西日本新聞朝刊=

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